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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題8】
妊娠26週に発症した早剥IUFDに透析が必要な急性腎不全が併発した1例
矢田 大輔, 菊池 卓, 土井 貴之
富士宮市立病院産婦人科
今回我々は,妊娠26週に発症した胎盤早期剥離+子宮内胎児死亡に緊急帝王切開を施行し,術後無尿,急激な腎機能悪化にて持続的血液濾過透析(CHDF)を施行し,最終的に透析を離脱できた1例を経験したので報告する.症例は38歳,1経産.妊娠初期より近医にて健診を施行していた.妊娠26週0日に胎動の減少にて前医受診され,子宮内胎児死亡に至った胎盤早期剥離にて当科へ母体搬送となった.入院時,血圧134/69mmHg,脈拍92回/分,顔面は蒼白貧血様,下肢浮腫著明,腹部は板状硬,子宮口より少量の凝固性の極少量の出血を認めた.超音波上,胎児心拍認めず,胎盤は辺縁前置胎盤で厚さ10cmと肥厚を認めた.採血上,Hb7.1g/dl,Fib80mg/dlにてDICの治療を先行し,その後緊急帝王切開施行,胎盤後血腫を認めた.出血量は2910g,総輸血量はRCC10単位,FFP16単位.入院時よりCre1.34mg/dlと腎機能障害認め,輸液,輸血を施行後も尿流出を認めず腎機能悪化を認めたため,同日CHDFを導入した.術後4日目より週3日の間欠的透析となった.術後8日目にCre5.86mg/dlをピークに徐々に改善傾向認めた.無尿-乏尿のため維持透析の導入を考慮されたが,術後11日目に初めて1日尿量1000mlを超え,透析から離脱となった.現在外来にてフォローアップ中であるが,腎機能は正常化している.本症例に若干の文献的考察を加えて報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
306-306, 2012
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