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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題10】
診断に苦慮した妊娠中の子宮内膜症性嚢腫破裂の一例


長井 咲樹, 田嶋 敦, 河野 彩子, 竹田 純, 濱村 憲佑, 中原 万里子, 上山 和也, 窪 麻由美, 白井 洋平, 鈴木 千賀子, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科


【緒言】卵巣嚢腫合併妊娠の頻度は全妊娠の0.1〜0.2%で,その中で子宮内膜症性嚢腫の割合は5%前後である.卵巣嚢腫の破裂は分娩時に起こすことが多く,その頻度は3%と言われている.今回我々は,診断に苦慮した妊娠中の子宮内膜症性嚢腫破裂の一例を経験したので報告する.【症例】35歳,1経妊1経産,自然妊娠.前医で約6cm大の左側卵巣嚢腫を指摘されていた.妊娠初期より高血圧を認め,メチルドーパ750mg/日内服されていたが,その他の妊娠経過は良好であった.妊娠27週5日,夜間に突然の下腹部痛出現し前医を受診.腹腔内出血疑いで当院母体搬送となった.来院時,持続的な子宮収縮と採血上炎症反応の上昇を認めた.超音波ではダグラス窩に液体貯留があったが,明らかな胎盤肥厚や血腫は認めず,凝固機能などの異常はなかった.常位胎盤早期剥離の可能性は低いと考え,塩酸リトドリンを開始したが,子宮収縮は増強,腹膜刺激症状により血圧コントロールも不良となったため,27週6日緊急帝王切開術施行.術中所見として,一部破裂を伴う左側子宮内膜症性嚢腫を認め,腹腔内にはチョコレート様の内容液が貯留.子宮は硬く収縮していたが,色調の異常は認めなかった.児は1030gの男児,Apgar score 6/8点.母体は経過良好で術後7日目に退院となった.【結語】今回の症例は,臨床経過より常位胎盤早期剥離や子宮内感染との鑑別が困難で診断に苦慮したが,妊娠初期に卵巣嚢腫を指摘されていたため,卵巣嚢腫の破裂を疑うことが可能であった.妊娠中に急性腹症を呈する疾患は多く,このため卵巣嚢腫合併妊娠の取り扱いには細心の注意が必要になると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 312-312, 2012


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