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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題11】
パルボウイルスB19感染により母体重症貧血をきたし常位胎盤早期剥離に至った1例


玉石 絢香, 村山 敬彦, 成田 達哉, 赤堀 太一, 大原 健, 松村 英祥, 高井 泰, 斉藤 正博, 高木 健次郎, 馬場 一憲, 関 博之
埼玉医科大学総合周産期母子医療センター産婦人科


【緒言】パルボウイルスB19(PB19)の母体感染においては,胎児貧血による胎児水腫の発症が危惧される.一方,成人の感染例では関節痛や発熱などの非特異的な症状が多く,重症化することはきわめて稀である.今回,PB19感染から母体重症貧血をきたし,常位胎盤早期剥離に至った症例を経験した.文献的考察を加えて報告する.【症例】32歳,2回経妊2回経産.妊娠30週に子供が伝染性紅斑に罹患し,本人も38℃台の発熱をみとめた.妊娠34週6日に前医を受診した際Hb4.9g/dLと重症貧血を認め,36週6日に当科紹介初診.同日,緊急入院となった.PB19IgM(+).37週3日に実施した骨髄検査では,PB19感染による血球減少の可能性が示唆された.37週6日に突然腹痛が出現し,意識消失とショックバイタルを認めた.経腹超音波検査でFHR80bpmとbradycardiaを認め,緊急帝王切開を施行.胎盤付着面の約30%に凝血塊をみとめ,常位胎盤早期剥離と診断した.児は,2922g男児,Apgar score1点(1分),4点(5分),臍帯動脈血pH6.781であった.胎盤病理検査では脱落膜に壊死,炎症を認めたが,絨毛膜や羊膜に明らかな炎症を認めなかった.【結語】妊娠中のPB19感染で母体が非常に重症化した症例を経験した.PB19がアポトーシスを誘導する標的細胞受容体として,赤芽球のP抗原が知られている.P抗体は胎盤のトロポブラスト上にも存在し,現在,PB19の免疫染色を実施し,PB19感染と常位胎盤早期剥離との関係を検討中である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 316-316, 2012


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