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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題12】
男性化徴候を呈したアンドロゲン産生卵巣腫瘍の一例


山口 貴史, 五十嵐 優子, 山田 敦子, 平山 貴士, 御木 多美登, 田中 沙織, 菅沼 牧知子, 村岡 友美子, 田中 利隆, 田口 雄史, 三橋 直樹
順天堂大学医学部附属静岡病院産婦人科


【緒言】ステロイド細胞腫瘍は全卵巣腫瘍の0.1%以下と稀な性索間質系腫瘍である.今回我々は著しい男性化徴候を示したアンドロゲン産生卵巣腫瘍の一例を経験したので報告する.【症例】47歳2経妊2経産,45歳閉経.既往歴はPCOS,家族歴に特記事項はない.2008年頃より多毛,禿頭を認め,症状は次第に悪化していた.2011年8月胃痛,嘔気,労作時の呼吸苦を主訴に近医受診,心不全の診断にて治療開始となる.同時に腹部CTを施行したところ,左卵巣腫瘍を認め精査目的にて当科紹介受診となる.現症として全身の多毛,禿頭,音声低音化,陰核肥大を認め,経膣超音波検査では左卵巣に4cm大の充実性腫瘍を認めた.CA125 7u/ml.内分泌学的検査では,血中アンドロステンジオン14ng/ml,テストステロン923.6ng/dl,エストラジオール31.9pg/ml,DHEA 973ng/mlであった.また,デキサメサゾン抑制試験,血漿レニン活性,血中アルドステロンは正常であり副腎ホルモンに異常所見は認めなかった.以上よりアンドロゲン産生卵巣腫瘍を疑い,腹式両側附属器切除術+単純子宮全摘術を施行した.腹水洗浄細胞診は陰性であり,術後病理検査では,淡明な胞体を豊富に有した細胞が充実性に増殖し,また副腎皮質細胞に類似することからステロイド細胞腫瘍と診断された.術後7日目血中テストステロン31.8ng/dlと正常化している.陰核肥大や多毛に著明な変化は認められていないが,現在再発兆候なく経過観察中である.【結語】アンドロゲン産生卵巣腫瘍の中でもステロイド細胞腫瘍は稀な腫瘍である.悪性の臨床経過をたどることもあるといわれており,本症例に関して病理組織学的検討と文献的考察を加えて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 317-317, 2012


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