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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題15】
先天性上部消化管閉鎖症例の羊水中胆汁酸濃度


善平 沙弥香, 望月 純子, 大西 庸子, 金井 雄二, 河野 照子, 関口 和企, 松澤 晃代, 天野 完, 海野 信也
北里大学病院総合周産期母子センター産婦人科


[目的]先天性上部消化管閉鎖を疑った症例の羊水中胆汁酸濃度を測定し,臍帯潰瘍発症の予測が可能か後方視的に検討する.[対象と方法]対象は,羊水過多に加え胎児の腹部にdouble cyst signもしくはmultiple cyst signを認めた9症例.羊水中の胆汁酸濃度を測定し,出生後手術所見と比較検討した.[結果]羊水穿刺を行った時期は26〜38週(中央値33)で,AFIは27〜40cm(平均32±4SD),分娩時期は31週3日〜39週6日(中央値37週)であった.帝王切開術は3例(30%)に施行し,適応はNRFSが2例,双胎が1例であった.羊水中の胆汁酸濃度は,3〜16(平均6.2±5.0SD)μmol/L,羊水の性状は1例が血性,他の8例は淡黄色〜濃黄色であった.出生後の手術所見は1例が高位空腸閉鎖,8例が十二指腸閉鎖で,羊水中の胆汁酸濃度は高位空腸閉鎖例が16μmol/L,post-Vater離断型十二指腸閉鎖の1例が12μmol/L,他の7例は5μmol/L以下であった.高位空腸閉鎖の1例は,血性羊水を認め,遅発一過性徐脈が出現したため帝王切開術を施行した.児は1360gの男児で臍帯静脈血Hb値は8.9g/dL,病理学的に臍帯潰瘍であった.この症例は次の妊娠でも十二指腸閉鎖を合併し,臍帯潰瘍を繰り返した.同時期に羊水過多症で羊水除去を施行した9例の羊水中胆汁酸濃度は,巨大膀胱微小結腸微弱蠕動症候群(MMIHS)の1例が17μmol/Lで,8例が3μmol/L未満であった.[結論]臍帯潰瘍発症例の羊水中胆汁酸濃度は高値であり,発症予測のパラメーターとなる可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 328-328, 2012


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