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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題17】
高度黄疸を呈する再発卵巣癌に対してgemcitabine+carboplatin併用療法が著効した一例


佐柄 祐介, 杉山 太朗, 柏木 寛史, 成田 篤哉, 宇田 優貴, 西島 義博, 東郷 敦子, 前田 大伸, 三上 幹男
東海大学医学部付属八王子病院産婦人科


【はじめに】卵巣癌に対する化学療法は高い奏効率を認めるが,その再発率は依然として高く,再発時の治療法に難渋することも少なくない.今回,高度黄疸を呈する肝転移を有した再発卵巣癌に対して,gemcitabine+carboplatin併用療法(GC療法)が著効した症例を経験したので報告する.【症例】58歳1経妊0経産,癌性腹膜炎,腸閉塞にて他院で回腸・横行結腸吻合術を施行し,卵巣癌の診断で当院転院となった.TC療法3コース施行後,子宮全摘+両側付属器摘出+骨盤リンパ節郭清を施行したところ腹膜播種,リンパ節転移を認めた.術後に腹腔内cisplatin投与,TC療法3コース施行した.2年半後に骨盤内腫瘤,傍大動脈リンパ節転移を認め,骨盤内腫瘤切除+傍大動脈リンパ節郭清+大網切除+右半結腸切除を施行し,TC療法6コース施行した.2年4か月後,総ビリルビン:25.1mg/dlと高度黄疸を呈し,多発肝転移,肝門部リンパ節転移を認めた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影施行し胆管にステントを留置した.その後gemcitabine単剤(1200mg/m2 D1・8・15)の投与を1コース施行し,その次からはGC療法(1000mg/m2 D1・8,AUC4)を6コース施行した.順調にビリルビンは低下し,肝転移の縮小を認めた.【考察】肝障害患者に対する化学療法は安全性が確立されておらず,特に高度黄疸を呈する患者に化学療法を施行した報告はほぼ無い.GC療法は再発卵巣癌に対する有効性が海外で報告されており,両剤とも腎代謝の為理論上は使用可能だが,やはり躊躇した.ただ本症例では化学療法が奏効する可能性が高く,他に治療手段が無い為施行した.肝障害を有する卵巣癌に対する化学療法として,GC療法は有効な選択肢と思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 333-333, 2012


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