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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題18】
内膜症性嚢胞腹腔鏡術後に発症した卵巣癌の3例の検討


小島 美奈子, 杉田 匡聡, 朝見 友香, 佐藤 歩美, 上野山 麻水, 近藤 一成, 喜多川 亮, 佐藤 奈加子, 忠内 薫, 角田 肇
NTT東日本関東病院産婦人科


 今回,我々は当科で施行した卵巣内膜症性嚢胞腹腔鏡術後に発症した卵巣癌の3例を経験したので,当院での過去11年の卵巣癌手術検体の内膜症合併頻度も含め報告する.
 症例1:0経妊0経産,44歳時に多発内膜症性嚢胞に対して腹腔鏡下焼灼術を施行.50歳時に粘液性嚢胞腺癌2c期にて,根治手術と術後TC療法を行い,5年間無病生存中.症例2:0経妊0経産,37歳時に腹腔鏡下両側卵巣内膜症性嚢腫(右8cm大,左2cm大)核出術を施行.41歳時に右卵巣癌根治術施行.明細胞腺癌3c期にてoptimal surgery後TC療法6コース施行.術後1年3ヶ月で腹腔内再発したためCTP-11+CDDP療法を開始したが下肢静脈血栓症・肺塞栓症を来たした.その後免疫療法やドキシルを施行するも多発転移が増大し,術後約3年で永眠.症例3:0経妊0経産,46歳時に左卵巣内膜症性嚢胞(12cm大)に対して腹腔鏡下左付属器切除術を施行.48歳時に人間ドックで左水腎症を指摘され,右卵巣類内膜腺癌3c期にてsuboptimal surgery後,TC療法6コース施行したが,直後に腸閉塞にて再発した.
 次に当科で過去11年間に経験した卵巣癌123症例の手術検体に内膜症が合併する頻度を検討したところ,明細胞腺癌34.5%(29例中10例),類内膜腺癌50%(12例中6例),粘液性腺癌12.5%,漿液性腺癌7.1%と諸家の報告同様,明細胞腺癌と類内膜腺癌での内膜症合併頻度が高かった.内膜症性嚢胞が卵巣癌の発生母地となっていることが示唆されたが,今回の3症例から卵巣内膜症性嚢胞の手術療法が卵巣癌発生の予防に必ずしも結びつかない可能性が考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 336-336, 2012


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