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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題18】
当院における卵黄嚢腫瘍6例の検討


久田 裕恵1, 田部 宏1, 高橋 一彰1, 武隈 桂子1, 森本 恵爾1, 小曽根 浩一1, 黒田 浩1, 小竹 譲1, 高野 浩邦1, 佐々木 寛1, 田中 忠夫2
東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科1, 東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科2


〈はじめに〉胚細胞性腫瘍は全悪性卵巣腫瘍の5〜10%を占め,上皮性悪性腫瘍と比べその頻度は低い.特に10〜20代の若年女性に好発するため妊孕性の温存が重要になる.本邦における卵巣がん治療ガイドライン2010年版では,妊孕性温存が必要な胚細胞性腫瘍患者に対する初回治療としての手術療法は,III-IV期の進行症例を含め片側付属器摘出術にとどめ,侵襲の大きな術式は避け,術後早期の化学療法の開始を推奨している.また化学療法のレジメンに関してはBEP療法が初回標準化学療法となり予後の飛躍的な改善をもたらしている.〈症例〉2004年〜2011年の8年間に当院にて初回手術をし,病理組織学的に卵黄嚢腫瘍と診断された6例を後方視的に検討した.年齢中央値は31歳(10代が2例,30代が4例)で,6例中5例が妊孕性温存手術を施行していた.臨床進行期はIc期4例,IIIc期2例.術後補助化学療法は全例施行されておりPVB(シスプラチン,ビンブラスチン,ブレオマイシン)療法2例,BEP(ブレオマイシン,エトポシド,シスプラチン)療法4例であった.経過観察期間中央値63ヶ月の時点で再発症例は1例も認めていない.〈まとめ〉現在本邦ではJCOG(Japan Clinical Oncology Group)にて多施設での卵黄嚢腫瘍の後方視的調査研究を施行,症例集積中でありその結果が注目されている.今回は当院にて経験した卵黄嚢腫瘍6例について文献的考察も踏まえ検討してみる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 336-336, 2012


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