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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題18】
卵巣線維肉腫の一例


古澤 啓子1, 谷口 義実1, 名古 ゆり恵1, 喜納 奈緒1, 八杉 利治1, 尾崎 喜一1, 水谷 勝美1, 高橋 雅恵2, 堀口 慎一郎2
都立駒込病院婦人科1, 都立駒込病院病理2


【緒言】卵巣原発線維肉腫は非常に稀な疾患であるが,今回われわれは,卵巣線維莢膜細胞腫より発生したと考えられる線維肉腫を経験したので報告する.
【症例】55歳,1経妊1経産,閉経52歳.不正性器出血および下腹痛を主訴に近医受診し,骨盤内腫瘍を指摘され,当院紹介となった.骨盤内に子宮と一塊となった新生児頭大の腫瘤を触知し,経腟エコーで子宮背側および上方にそれぞれ10cm大の充実性腫瘍を認めた.内膜組織検査で悪性所見を認めず,CTおよびMRIより卵巣悪性腫瘍を疑い,開腹手術を施行した.左卵巣腫瘍8cmを認め,ダグラス窩および横行結腸に接してそれぞれ8cm,15cmの腫瘤を認め,腹式単純子宮全摘出+両側付属器摘出+横行結腸部分切除+大網部分切除+播種巣摘出術を施行した.術後病理組織学検査では,左卵巣腫瘍において,異常核分裂像を伴う高度異型の短紡錘型細胞が増殖した線維肉腫の像を呈する部分と,細胞異型や核分裂像の乏しい線維莢膜細胞腫様の像を呈する部分の両者が見られ,卵巣線維莢膜細胞腫より生じた高悪性度線維肉腫と診断した.横行結腸近傍およびダグラス窩の播種結節にも同様の組織像がみられ,FIGO進行期はIIIc期(pT3cNxM0)であった.現在,術後化学療法を施行している.
【考察】線維肉腫は,悪性の経過をたどる非常に稀な疾患であり,標準治療は確立されていない.これまでの後方視的検討において,FIGO進行期および治療法が予後因子として報告されており,手術療法後に化学療法を行った例で比較的良好な予後が得られていることより本症例では術後化学療法を選択した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 338-338, 2012


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