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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題19】
卵巣癌に対する化学療法中に発症し,その診断と治療に苦慮したカンジダ性敗血症の一例


新村 裕樹, 松橋 智彦, 黒瀬 圭輔, 鴨井 青龍, 竹下 俊行
日本医科大学付属病院産婦人科


【緒言】抗がん化学療法に伴う好中球減少症は易感染性を引き起こし,時に難治性の日和見感染を併発する.卵巣癌に対する化学療法中にカンジダ感染症を来たし,その診断と治療に難渋した症例を経験したので報告する.【臨床経過】症例は49歳,2経妊2経産.卵巣癌IIIc期に対して術後化学療法(tri-weekly TC,6コース)を実施したが,最終投薬から7ヵ月後に後腹膜リンパ節への再発を確認したため,同レジメンによる化学療法を再開した.1コース目投与後に発熱(38.5℃),咽頭痛および炎症反応の上昇(CRP 20.57 mg/dL)が見られたため耳鼻科を受診,急性化膿性咽頭炎の診断で抗生剤投与(FMOX 2.0 g/day)を開始したが症状改善を認めず.抗生剤をPIPC 2.0 g/day,さらにSBT/ABPC 3.0 g/dayへ変更するも治療効果なく耳鼻科再診,喉頭鏡による観察でカンジダ食道炎・咽頭炎の診断となり,抗真菌薬の内服投与(ICZ 200 mg/day)が開始された.その後局所症状は改善したが,再度発熱および炎症反応の上昇が見られた.静脈血細菌培養および血中β-Dグルカンは陰性であったが血中カンジダ抗原陽性,また血液検査データにてPlt 3.1X104/μl,FDP 59.1 μg/ml(基礎疾患あり:DICスコア7点),プロカルシトニン1.92 ng/mlであり,カンジダ性敗血症およびDICの診断で抗真菌薬の経静脈投与(MCFG 100 mg/day)および抗DIC療法(recomodulin 19000 U/day)を行い治癒した.【結論】本症例ではカンジダ感染発症初期に典型的な口腔内所見が得られず治療開始が遅れたため,敗血症・DICを続発するという重篤な臨床経過を辿った.同様の易感染性を有する患者に対しては,真菌感染症も念頭に置いて診療に当たる必要があることを再認識した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 339-339, 2012


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