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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題20】
小児の神経因性の巨大膀胱から仙髄腫瘍の診断に至った一例


一瀬 俊一郎, 齊藤 正博, 酒井 あゆみ, 松永 茂剛, 長井 智則, 高井 泰, 高木 健次郎, 馬場 一憲, 関 博之
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科


【緒言】小児の脊髄腫瘍の発生頻度は稀とされている.今回我々は,非常に弛緩した巨大膀胱から仙髄腫瘍の診断に至った女児の1例を経験したので報告する.【症例】11歳 0経妊0経産 初経未 特記すべき既往症なし最近1ヶ月で仙骨部・肛門部の疼痛が出現し,近医内科・整形外科を受診したが,成長痛やメンタルによるものとされていた.その後,下腹部の膨隆著明となり近医産婦人科を受診.経腹超音波検査,MRIにて骨盤内に巨大な嚢胞性病変を認め,巨大卵巣腫瘍の疑いで当科紹介となった.精査のため入院,試験開腹術の方針となった.術中所見で骨盤内巨大嚢胞は卵巣腫瘍ではなく,非常に弛緩した巨大膀胱(神経因性膀胱)であったことが判明した.巨大膀胱の原因検索のため,腰椎仙椎MRIなどを施行し,二分脊椎および馬尾神経を圧排する仙髄腫瘍を認めた.精査,加療のため当院脳神経外科に転科,手術を予定している.【考察】神経因性の巨大膀胱は,一般的に高齢女性,精神疾患患者において認めることがあるが,小児では先天性のものを除き稀である.本例では自覚的な排尿障害はなく,また排尿後の経腹超音波検査・MRIで巨大嚢胞を認め,また膀胱内バルーン留置後も嚢胞の著明な縮小を認めず,下腹部膨隆を認めていたため,膀胱という認識なく試験開腹を施行し,膀胱と判明した.また11歳という年齢を考慮し,術前に経直腸超音波検査は未施行であったが,本例のような巨大膀胱や子宮卵巣の器質的疾患を鑑別する上では重要な検査であるということを再認識した.骨盤内の巨大な嚢胞性病変の鑑別診断の一つとして,稀ではあるが,本例のような巨大膀胱の可能性も念頭に置いておく必要があると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 341-341, 2012


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