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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題20】
卵巣腫瘍および腸間膜腫瘍・膿瘍との鑑別を要した小腸GIST発熱症例


計良 和範1, 小幡 新太郎1, 清水 善明2, 上杉 健哲1, 塙 真輔1, 西方 紀子1, 杉田 達哉1, 清水 久美子1, 田中 圭1
成田赤十字病院産婦人科1, 成田赤十字病院外科2


 卵巣腫瘍との鑑別を要する骨盤内腫瘍の中でGIST(Gastrointestinal stromal tumor)は比較的まれな疾患であるが,発熱・体重減少を主訴とする例はさらに少ない.今回我々は発熱・体重減少などを愁訴とする骨盤内腫瘍に対し,卵巣腫瘍疑いで開腹術を施行したところ,小腸GISTの診断を得た症例を経験したので報告する.【症例】77歳,3経妊2経産.当科受診1〜2ヶ月前から悪寒・食欲低下・体重減少あり,糖尿病などで通院中の診療所から当院紹介.画像検査上,子宮体部〜右卵巣近傍に約8cm大腫瘤あり,子宮体癌もしくは右卵巣腫瘍が疑われた.子宮内膜細胞診および腫瘍マーカー正常.経過中に高熱と炎症反応上昇を認めるも,感染症を疑わせるフォーカスは不明.卵巣腫瘍疑いで開腹手術施行.子宮・付属器正常,小腸腸間膜腫瘍を認め,外科にて小腸部分切除施行.小腸粘膜に穿孔し腫瘍内腔と連続性あり,膿性内溶液から腸間膜膿瘍と考えられたが,病理検査結果は小腸GIST(中間リスク群)であった.術後は発熱・炎症反応とも速やかに改善した.【考察】卵巣腫瘍と鑑別すべき類似疾患に腸間膜腫瘍があるが,発熱などを認める場合には膿瘍を疑う必要がある.本症例において腸間膜膿瘍であれば病歴上合致するものの,結局膿瘍ではないとの結論であった.しかし術後の速やかな回復から,発熱・炎症は小腸GISTが原因であったと考えざるを得ない.可能性としてGIST自体が発熱を来す,もしくは腫瘍と小腸との交通がドレナージとして作用し,増悪・寛解を繰り返していたという仮説が考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 341-341, 2012


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