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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題20】
子宮頸癌に対する動注併用放射線治療後8年目に発生した放射線照射後皮膚血管肉腫の1例


小川 達之, 奈良 政敏, 端 晶彦, 平田 修司
山梨大学産婦人科


【緒言】子宮頸癌に対する放射線療法は,時に晩期有害事象が問題となる.近年は進行子宮頸部癌に対して放射線療法単独に比べて同時化学放射線療法(CCRT)が選択される症例数が増加しているが,本邦においてはCCRTの晩期有害事象についてはデータが十分とは言えない.今回我々は子宮頸癌に対して動注化学療法を併用したCCRT後の皮膚血管肉腫の症例を経験したので報告する.【症例】66歳,不正出血を主訴に近医受診し,子宮頸癌の診断で当科紹介となる.子宮頸部に潰瘍を伴う腫瘤を認め,内診上は右骨盤壁までの浸潤が疑われた.子宮頸癌IIIbの非角化型の扁平上皮癌と診断され,動注化学療法を併用した根治的放射線療法が選択された.治療効果はCRであった.根治治療後7年間,再発所見はなかった.根治治療後8年目,臍下の皮膚に黒色の硬い腫瘤が出現し,増大したため受診された.皮膚生検の結果,radiation associated angiosarcomaと診断された.CT検査では下腹部皮膚面および皮下に1〜4 cmの結節が多発していた.それ以外には病変を認めなかった.血管肉腫の遠隔転移が明らかでないため切除術を勧められたが,血管肉腫の予後と手術侵襲から患者本人が手術療法を望まなかった.その後下腹部結節は増大し,肺転移,肝臓転移を認め,血管肉腫診断後約13ヶ月,呼吸不全のため亡くなった.【結語】血管肉腫の発癌機構は放射線自体のDNAへの障害などが考えられるが,化学療法の併用により二次的血管肉腫の発生リスクが高まる可能性はある.放射線治療後の二次発癌としての本疾患の存在を知識として持っておく必要があると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 342-342, 2012


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