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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題20】
標準支持療法抵抗性の化学療法による難治性悪心に対するオランザピン併用の有用性の検討


安部 正和, 米田 聡美, 久慈 志保, 田中 晶, 高橋 伸卓, 武隈 宗孝, 平嶋 泰之
静岡県立静岡がんセンター婦人科


【目的】非定型抗精神病薬であるオランザピンはドーパミン,セロトニン,ヒスタミンなどの受容体と親和性を有し,化学療法に伴う悪心に有効とされる.悪心に対する標準支持療法に抵抗性の難治性悪心に対するオランザピン併用の有用性を検討した.【方法】高度催吐性レジメンに対する標準支持療法(5HT3受容体拮抗薬,アプレピタント,デキサメサゾン)を行っても急性期または遅発期にgrade 3(CTCAE ver. 4.0)の悪心を有した症例に対しオランザピンを併用した17例を後方視的に検討した.オランザピンは5mgを治療前日から7日間投与した.【結果】化学療法の内訳は高度催吐性14例,中等度催吐性3例であった.オランザピン投与前後の悪心のgradeは,全期間では3から0.94±0.9,急性期では1.94±1.03から0.41±0.87,遅発期では2.88±0.33から0.88±0.86に,いずれも有意に低下した(p<0.005).全期間中の最も強い悪心の程度はgrade 0:6,grade 1:7,grade 2:3,grade 3:1例で,16例(94%)でgradeが改善,13例(76%)でgrade 0〜1に改善,35%が完全制御された.有害事象はgrade1,2の傾眠をそれぞれ5,3例認めた.【考察】アプレピタントやパロノセトロンの登場により化学療法の悪心は改善したが,依然強い悪心を有する例もある.オランザピンは化学療法の難治性悪心に対して有効率が高く,化学療法患者のQOLを改善すると考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 343-343, 2012


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