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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題21】
Tissue Fixation System手術後に絞扼性イレウスを発症した一例


戸田 里実1, 荒瀬 透1, 福岡 慧子1, 水口 雄貴1, 櫻井 真由美1, 倉崎 昭子1, 松村 聡子1, 持丸 佳之1, 永井 宣久2, 大石 曜1, 島田 翔士3, 中野 眞佐男1
神奈川県警友会けいゆう病院産婦人科1, 同健診科2, 同外科3


【緒言】骨盤臓器脱(POP)症例に対し,近年統合理論に基づく手術が開発され良好な成績を上げている.これにより多くのPOP患者のQOLを向上させる可能性が出てきたが,盲目的操作が必要となることから術中の合併症に気づきにくい傾向がある.今回,他院でPOPに対しTissue Fixation System(TFS)手術を施行され,術後6日目に絞扼性イレウスを発症し緊急手術に至った一例を経験したので報告する.【症例】74歳,5経産婦.既往に多系統萎縮症,高血圧,脳梗塞があり,抗凝固剤ダビガトランを服用していた.POPに対し他院でTFS手術を施行され,術後6日目に臍部から左下腹部にかけて疼痛を自覚したため,当院救急外来を受診.腹膜刺激症状は乏しいものの,経腟超音波検査で腹水貯留,腹部レントゲンやCT検査にてイレウス所見と腹腔内異物が確認できたため,緊急でイレウス解除術を施行した.異物はTFS手術で用いたアンカー及びポリプロピレンテープで,膀胱子宮窩から腹腔内に貫通し,回盲部付近の腸間膜に固定されていた.腸管は異物に牽引されるように捻転しており,一部は壊死していたため回盲部切除術を施行した.しかし翌日に下血による出血性ショックを呈したため,吻合部出血の診断で吻合部切除および人工肛門造設術を施行した.術後の消化管経過は良好であったが,抗凝固剤休薬中に脳梗塞が再発したため,リハビリ目的で他施設に転院となった.【考察】本症例を後方視的に検討したところ,腹部レントゲン画像でもアンカー部位の異常が確認できた.高齢者は組織が脆弱で自覚症状や理学所見も乏しくなる事から,たとえ低侵襲かつ簡便な手術であっても周術期の観察は慎重を期すことが重要と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 344-344, 2012


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