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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題21】
月経困難症,過長月経を契機に診断されたWunderlich症候群の1例
塙 真輔, 田中 圭, 計良 和範, 西方 紀子, 清水 久美子, 杉田 達哉, 小幡 新太郎, 上杉 健哲
成田赤十字病院産婦人科
【緒言】Wunderlich症候群は重複子宮,重複膣,同側腎欠損,片側の膣閉鎖に伴う留血腫を形成する稀な疾患である.今回我々は月経困難症,過長月経を主訴に来院し,Wunderlich症候群と診断し経膣的膣中隔切除術を施行した症例を経験したので報告する.【症例】12歳女性.月経歴:初経11歳,月経周期30日,整.家族歴:特記事項無し.既往歴:3歳時おたふくかぜに伴う髄膜炎.現病歴:過長月経,月経困難症を主訴に来院.経腹エコーでは重複子宮ははっきりせず,子宮内膜が肥厚していたため,機能性子宮出血を考えノルゲストレル,エチニルエストラジオール配合錠を処方し,経過観察としたが症状改善しないため再度当院受診.MRI検査を行い右側腎欠損,重複子宮,右側膣閉鎖が認められWunderlich症候群と診断し,膣中隔切除術を施行した.術中は右膣壁の膨隆を認め,開窓したところ茶褐色の血液成分が流出し,膣中隔を切除すると右子宮膣部を確認できた.病理検査で患側膣の内腔より重層扁平上皮の被覆を認めた.【考察】Wuderlich症候群は稀な疾患であり,診断は容易ではないが,思春期の月経困難症を訴える症例の際には鑑別疾患の一つとして考えておくべきものである.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
345-345, 2012
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