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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題22】
妊娠30週で大動脈解離を来したMarfan症候群疑いの一症例


大塚 英恵, 深田 幸仁, 太田 幸秀, 石田 健太郎, 関根 仁樹, 船倉 翠, 神部 友香理, 渡邉 征雄, 武内 務, 品川 寿弥, 林 瑞成
墨東病院産婦人科


 急性大動脈解離は致死的な疾患であり,若年者に生じることはまれである.また若年女性に起こる大動脈解離の約半数が妊娠に関係しているという報告がある.大動脈解離が妊娠中に起こると母と児の両方にとってハイリスクである.今回,われわれは妊娠30週で急性大動脈解離を来し各科連携のもと,母児ともに救命し得たMarfan症候群疑いの一症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告をする.症例は31歳女性,初産.家族歴は母がMarfan症候群にて大動脈解離で死亡,母方の叔父も大動脈解離で死亡していた.自然妊娠成立後,妊娠中期までの経過は概ね順調であった.妊娠29週3日,歩行時に胸痛と呼吸苦を自覚し,かかりつけの病院を受診.切迫早産の診断で入院加療となった.入院第6日目(妊娠30週1日)に呼吸困難と収縮期血圧の低下を認め,当院へ母体搬送となった.搬送時の造影CTにて急性大動脈解離Stanford A型と診断し,同日緊急帝王切開および子宮全摘出術を施行.1,512g, Apgar1分後4点の女児を娩出,児はNICU管理となった.母体は,手術翌日に上行大動脈人工血管置換術を施行し,術後経過良好で第37病日に退院,児は日齢77に退院となった.本症例ではMarfan症候群に特有の身体所見を呈していなかったが,母と叔父の家族歴がありMarfan症候群の可能性は高いと考えられた.Marfan症候群合併妊娠は,妊娠前からの心血管系評価および妊娠中の定期的な心臓超音波検査により良好な転帰を得ることが可能であるが,本症例では妊娠前に診断がついておらず周産期管理が行えなかった.妊婦健診時には家族歴や既往歴を含めた妊娠初期の評価が重要と考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 346-346, 2012


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