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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題23】
抗菌縫合糸の使用により手術部位感染は減少するか:帝王切開術における前方視的検討


藤田 裕, 岩本 豪紀, 増永 彩, 菊池 友美, 大川 智実, 勝手 恵理子, 小林 織恵, 山崎 龍王, 大田 昌治, 田村 和也, 小林 弥生子, 梅澤 聡
武蔵野赤十字病院産婦人科


【目的】手術部位感染(SSI:surgical site infection)は開腹手術における主要な合併症の一つである.抗菌縫合糸を使用することにより,帝王切開術後の手術部位感染が減少するかどうかを前方視的に検討した.
【方法】当院で2011年5月から2012年1月までの間に同意を得られた選択的帝王切開術症例で,予定時期の前に破水などで緊急手術となった症例を除く76例を対象とした.術者は3名に限定し,35例はトリクロサン添加ポリグラクチン910縫合糸(バイクリルプラス),41例はポリグリコマー縫合糸(ポリゾーブ)を使用して,子宮筋層と腹直筋筋鞘を縫合した.その他の手術・麻酔方法は共通で,予防的な抗生剤使用は手術直前に単回のみとした.両群における手術部位感染の発生頻度とともに,術後1日目と5日目の白血球数とC反応性蛋白(CRP:C-reactive protein)を比較した.
【成績】手術部位感染はポリゾーブ群3例(7.3%),バイクリルプラス群2例(5.7%)で生じ,発生頻度に有意差は生じなかった.術後5日目のCRPは,バイクリルプラス群がポリゾーブ群と比較して有意に低値となった(1.70±0.27 vs 2.75±0.50, p<0.001).術後5日目の白血球数についても同様の傾向が見られた(5757±547 vs 6380±516, p=0.10).両群において,手術部位感染の発生に影響すると考えられる背景に有意差はなかった.
【結論】手術部位感染はポリゾーブ群3例(7.3%),バイクリルプラス群2例(5.7%)で生じたが,発生頻度に有意差は生じなかった.術後5日目のCRPはバイクリルプラスを使用した場合に有意に低値であったことから,バイクリルプラスを使用すると手術部位感染が減少する可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 352-352, 2012


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