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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題24】
子宮穿孔をきたしたが,子宮を温存できた侵入奇胎の一例


小池 ひとみ, 阿部 一也, 長谷川 澄子, 村木 紗知, 難波 直子, 間瀬 徳光, 疋田 裕美, 上田 万莉, 森田 豊, 丸茂 元三, 大橋 浩文, 石田 友彦
板橋中央総合病院産婦人科


 今回われわれは,侵入奇胎にて子宮穿孔をきたしたが,病巣の切除のみで子宮を温存し,術後の化学療法により寛解を得た症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.【症例】20歳,0経妊0経産.無月経,妊娠反応陽性にて,最終月経より6週1日に前医を受診.診察上胞状奇胎が疑われ当院へ紹介(hCG;982),子宮内容除去術を施行した.子宮内容物の病理組織診断は,部分胞状奇胎であった.1週間後に再度掻把術を施行し(掻把後hCG;654),経過観察していた.初回内容除去術より4週後に,急性腹症とプレショックをきたし,当院へ救急搬送された(hCG;4790).経腟超音波断層法で重度の腹腔内出血を認め,緊急手術を行った.子宮底に出血部位を認めたため,部分切除し,子宮は温存した.摘出検体は変性が強く,病理組織診断では確定診断はできなかったが,臨床経過と術中所見より,侵入奇胎の子宮穿孔と考えられた.CTで明らかな病巣は認めなかった.術後1週目より化学療法(MTX-FA)を施行.7クール施行後に血中hCGはカットオフ値以下となり,さらに1コース施行し,化学療法を終了とした.化学療法終了後5か月が経過した現在も,hCGの再上昇などの異常は認めていない.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 353-353, 2012


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