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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
当院における子宮頸部円錐切除例の検討
森澤 宏行1, 高橋 佳容子1, 厚木 右介1, 若佐谷 敦1, 島田 和彦1, 山田 哲夫1, 黒田 一2, 大和田 倫孝1, 佐藤 郁夫1
国際医療福祉大学病院産婦人科1, 国際医療福祉大学病院病理2
【目的】近年,子宮頸部上皮内腫瘍の若年化に伴い妊孕性温存のために子宮頸部円錐切除の適応例が増加している.当院における子宮頸部円錐切除例について後方視的に検討を行なったので報告する.
【方法】2007年1月から2012年3月までに当院で子宮頸部円錐切除が施行された123例に対して,術前・術後診断,合併症,妊娠予後などについて検討した.円錐切除はハーモニックスカルペルを用い,切除断端は電気メスで十分に凝固した.
【成績】術前診断の内訳はCIN 3:106例,AIS:4例,1a1期:6例,細胞診・組織診不一致:7例であった.術前診断が過小であったのはCIN 3では1例のみであったが,1a1では2例に認められた.組織診が細胞診に比べ過小評価であった不一致例では,7例中6例でCIN 3が確認された.断端陽性は16例(13%)で,そのうち浸潤癌は3例であった.術後診断CIN 3,AIS,Ia1(102例)での断端陽性は13例(12.7%)あった.5例に対して子宮摘出(4例),再円錐切除(1例)を追加したが,摘出組織に残存病変は見られなかった.残り8例は経過観察中であるが,現在のところコルポスコピー,細胞診で異常を認めていない.合併症では,退院後の出血が20例(16%),頸管狭窄が2例(1.6%)であった.妊娠予後では,10例で11妊娠が成立しており,内訳は流産3例,早産1例,正期産5例(4例で頸管縫縮術実施),継続中2例である.
【結論】術後切除断端陽性例に対しては,十分な説明と慎重な管理のもとに経過観察が可能であることが示唆された.また,妊娠に対しては厳重な管理下におけば正期産が可能であると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
401-401, 2012
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