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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
帝王切開子宮筋層創部癒合不全防止の為の当院での取り組み
渡邊 直子, 和田 麻美子, 朝田 嘉一, 大井 恵
山梨赤十字病院産婦人科
帝王切開術の実施件数の増加に伴い,子宮筋層創部の癒合不全が次回妊娠時にリスクとなることが指摘されるようになり,その縫合法や縫合糸について多数の議論がなされてきている.当院は立地条件として近隣に産婦人科施設の少ないこと,夫婦1組の子供の数が多いこと,またTOLAC(trial of labor after cesarean)を基本的に施行していないこと等の為に,帝王切開数の年間100件弱(全分娩数の約13〜15%)のうち半数以上は反復帝王切開である.従来,当院では帝王切開時の子宮筋層縫合は網糸吸収糸(VICRYL®)を用いたZ-縫合による2層縫合を施行してきた.しかし,2回目の帝王切開時に前回の創部の非薄化が認められる機会が少なくなく,平成22年3月より縫合糸周囲の炎症反応が低く張力が長期間維持できるモノフィラメント吸収糸(PDS®)を用い,更に筋層の縫合面の形状をより正常に保つ目的で単結節縫合による2層縫合に変更した.この方式で初回帝王切開術を施行した妊婦に再度帝王切開術を施行する機会が得られるようになり,子宮筋層のモノフィラメント吸収糸(PDS®)を用いた単結節縫合は,従来の縫合糸の縫合法より子宮筋層創部癒合不全防止に有効であることが示唆されたのでここに報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
412-412, 2012
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