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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
当科における低置胎盤の出血量に関する検討


金子 明夏, 尾本 暁子, 真田 道夫, 岡山 潤, 中田 恵美里, 井上 万里子, 田中 宏一, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院周産期・母性科


【緒言】低置胎盤は分娩時に大量出血を来すことがあり,注意深い周産期管理が必要である.内子宮口から胎盤辺縁までの距離(IO-P)が2cm以下である場合に出血が多いとされている.今回,分娩時出血量の予測因子を明かにする目的で,IO-P以外の因子を含めて検討した.【対象と方法】2007年1月から2012年3月までに当院で分娩した2975例のうち,妊娠30週以降に内子宮口から胎盤辺縁までの距離が2cm以下であった65例を対象とした(結果的に癒着胎盤であった1例は除外した).65例のうち23例では分娩までにIO-Pが>3cmとなり(帝王切開分娩6例,経腟分娩17例),最終的に分娩直前までIO-Pが≦2cmであった症例は25例(帝王切開分娩22例,経腟分娩3例)であった.年齢,産科歴(初産・経産),胎盤位置(前壁付着・後壁付着),IO-P(≦1cm・1.1-2cm・2.1-3cm・>3cm),児出生体重を説明変数,分娩時出血量を従属変数としてそれぞれステューデントのt検定を行った.【結果】平均出血量は,帝王切開分娩で1929±698ml(540-3665ml),経腟分娩で971±619ml(265-3274ml)であった.出血量に有意な影響を与えたと判定された因子は,帝王切開分娩例における胎盤位置のみであった(前壁付着2557±959ml vs後壁付着1803±591ml,p=0.016).【結論】帝王切開では前壁付着の胎盤の方が出血量が多かった.30週以降に低置胎盤と診断された症例は,分娩時までに胎盤辺縁が内子宮口から3cm以上離れても大量出血のリスクが低減したとはいえない可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 414-414, 2012


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