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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
性器マイコプラズマスクリーニングによる感染性流早産予防の試み


須波 玲, 永井 聖一郎, 篠原 諭史, 薬袋 牧子, 内田 雄三, 寺本 勝寛
山梨県立中央病院産婦人科


 重篤な子宮内感染症を伴う自然早産症例では,羊水・胎児附属物から性器マイコプラズマが検出される場合が少なくない.早産発症との関連が示唆されているものの,一般妊婦を対象としたスクリーニングの有用性については明らかではない.妊娠初期のスクリーニングと陽性例に対する早期介入が感染性流早産を減少させ得るかについて検討を行った.【対象および方法】当院で妊娠初期から管理を行った単胎妊娠症例のうちインフォームドコンセントの得られた183例(先天奇形,人工早産を除く)を対象として,妊娠16週までに頚管粘液中のMycoplasma spp./Ureaplasma spp.をPCR法にて検出した.陽性例に対する妊娠20週までの治療(CLDM,EM)の有無と感染性流早産(妊娠14-34週)の発生率について比較検討を行った.【成績】性器マイコプラズマの検出率は43.1%で,早産ハイリスクにあたるM.hominis/U.urealticumの検出率は10.7%であった.治療症例全体での感染性流早産率は未治療症例と比較して有意差はなかったが,M.hominis/U. urealyticum陽性例に限定すると,治療症例の感染性流早産率は未治療症例と比較して有意に少なかった(0% vs. 50%,p<0.05).M.hominisは細菌性腟症と強い相関があり,Nugent score 7点以上で検出感度・特異度はそれぞれ91%,93%であった.【結論】妊娠初期に早産ハイリスクとされるM.hominis/U.urealyticumのスクリーニングを行い,early 2nd trimester までの加療を行うことで感染性流早産を減少させ得る.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 418-418, 2012


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