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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
子宮頸がんのCCRTにおける腎機能障害についての検討
今井 宗, 西沢 千津恵, 森 篤
長野市民病院婦人科
子宮頸がんの放射線治療,再発高危険群の術後補助療法にはCCRTが推奨されており,抗がん剤としてはCDDPが用いられることが多い.当院でもこれらの症例にはCCRTを行っているが,軽度の腎機能障害を散見するようになった.自験例について腎機能障害の発生頻度などについて検討した.合わせて腎機能保護策について文献的考察も含めて報告する.(方法)2006年から2011年までに当院で放射線治療としてCCRTを行った28例,術後補助療法としてCCRTを行った19例を対象にした.抗がん剤はCDDPを用い,投与量は40mg/m2,投与スケジュールはD1,8,15,22,29とした.投与日とその後の2日間は補液を2500mlおこない,利用剤を用いて1日尿量を1500ml以上確保した.(結果)CCRT開始前にCrが正常域(0.6〜1.0mg/dl)でありながら,CCRT終了後に1.0mg/dl以上となった症例は,放射線治療群で9例(32%)であり,その値は1.0〜1.5mg/dlであった.また,補助療法群で5例(26%)であり,その値は1.0〜1.36mg/dlであった.こうした腎機能低下例に年齢,頸癌の進行状況,全身状態,治療経過に特徴は見られなかった.治療後の経過観察において,Cr値が悪化あるいは回復した症例は見られず,ほぼ一定の値が継続した.(結語)CDDPを用いたCCRTでは軽度の腎障害が30%程度に発生するので,腎機能保護策が必要と考える.当院では腎機能保護のため硫酸マグネシウム投与を開始した.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
422-422, 2012
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