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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
当院で取り扱った東京都母体救命搬送(スーパー母体搬送)システム該当症例の検討


手島 映子, 木戸 浩一郎, 一瀬 隆行, 鎌田 英男, 市田 宏司, 梅澤 幸一, 松本 泰弘, 司馬 正浩, 笹森 幸文, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学産婦人科


【目的】スーパー母体搬送とは,緊急に母体救命処置が必要な症例に迅速な救命処置を行うため,平成21年3月にスタートしたシステムである.該当症例と判断された場合は119番通報による依頼に基づき,スーパー母体搬送指定施設または直近の救急医療機関に優先して搬送する.今回当院で取り扱ったスーパー母体搬送該当症例を分析し報告する.【方法】2010年3月から2012年4月に当院で取り扱ったスーパー母体搬送該当症例9例を対象に発症時診断,来院後診断,重症度,転帰について後方視的に検討した.【成績】スーパー母体搬送症例として依頼を受けたのは9例中3例で,自宅分娩1例,初期流産の出血1例,重症産褥出血1例だった.残りの6例は搬送時にはスーパー母体搬送扱いではなく,事後に相応の重症例であると判断した.6例の内訳は産褥のMRSAによる敗血症性ショック1例,弛緩出血4例,腟壁血腫・後腹膜血腫1例だった.敗血症性ショック以外の5例は依頼時点で2,500ml以上の出血か,ショックインデックス(S.I.)が1.5以上で産科危機的出血に該当していた.【考察】今回幸いにして脳血管障害などの症例を認めなかったのは,現時点では本システムが有効に機能しているためと考えられた.産褥出血では事後にスーパー母体搬送と判断されることが多い傾向にあった.【結論】本システムの目的達成のためには,搬送依頼時点での過大評価はやむを得ないと思われた.スーパー母体搬送の適応症例を迅速に判断する指標として産科危機的出血への対応ガイドラインが今後さらに広く周知され,搬送決定から高次施設到着・診療開始までのタイムラグを念頭において各施設が躊躇することなく搬送依頼を行うことが重要と思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 428-428, 2012


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