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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
突然の頭痛で発症した脳動静脈奇形合併妊婦の一例
佐柄 祐介, 成田 篤哉, 宇田 優貴, 石井 博樹, 西島 義博, 杉山 太朗, 東郷 敦子, 前田 大伸, 三上 幹男
東海大学医学部付属八王子病院産婦人科
【緒言】妊娠を契機に発症する脳血管障害は稀ではあるが妊娠中の重大な合併症の一つである.発症すると母児ともに死亡に至ることも多く,ふたつの生命の救命のために集学的治療を必要とする.今回我々は,妊娠15週に突如として脳動脈奇形破裂により脳出血をきたした一例を経験したので報告する.
【症例】37歳2経妊2経産.妊娠初期より近医にて妊婦健診を受けており,諸検査および妊娠経過は正常であった.妊娠15週5日,起床時より突然の頭痛があり,かかりつけの産婦人科を受診.頭痛は増悪傾向であり,脳血管障害の可能性も考慮され脳神経外科のある当院へ精査加療目的に救急搬送となった.当院搬送後,頭部MRIを施行し,脳動静脈奇形破裂による左後頭葉の脳内出血所見を認めた.MRI検査中に頭痛が増悪し,意識レベルJCS:300と低下,瞳孔散大・除脳硬直が出現.血圧も急激に上昇したため,緊急開頭血腫除去手術施行.可急的に血腫を除去し,外減圧にて経過観察.翌日には意識レベルはJCS:1となり,意思疎通も可能となった.術後も胎児心拍に異常なく,妊娠継続は可能との判断ではあったが,妊娠継続により脳動静脈奇形の再出血の危険性は非妊娠時より高いということを産科および脳神経外科より説明.その結果,ご本人およびご家族とも母体の救命を第一とし,妊娠中期中絶を希望され,開頭血腫除去術術後28日目(妊娠19週5日)男児娩出に至った.
【考察】今回,妊娠中の母体脳出血の治療方針として母体優先の治療を行うことを最優先したため,救命できたと考える.妊産婦に頭痛や意識障害,局所神経脱落症状を認めた場合は子癇発作のみならず,必ず脳血管障害も念頭に置くべきであると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
429-429, 2012
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