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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
慢性疼痛に対し,フェンタニルパッチを使用した妊娠の一例
高水 藍, 田嶋 敦, 関根 花栄, 長井 咲樹, 加藤 紀子, 中原 万里子, 上山 和也, 窪 麻由美, 白井 洋平, 鈴木 千賀子, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部付属浦安病院産婦人科
[緒言]近年,慢性疼痛と呼ばれるADLを低下させる重度の疼痛に対してペインクリニックで治療を受ける患者が増加している.今回,フェンタニルパッチを使用しながら妊娠,分娩に至った症例を経験したので報告する.[症例]36歳1経妊0経産.24歳頃より鼠蹊部を中心に疼痛があり,32歳時に帯状疱疹後神経痛と診断後はワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液,トピラマート内服を開始した.しかし,疼痛が軽減しなかったため33歳時に当院ペインクリニック紹介受診となった.右腰部帯状疱疹後神経痛,症候性神経痛,偏頭痛,慢性難治性疼痛と診断され,フェンタニルパッチ6.3mg/3日間が開始された.その後,自然妊娠成立.産科とペインクリニックより十分な説明を本人に行い,トピラマートのみ休薬し,フェンタニルパッチ継続使用で妊娠継続の方針となった.妊娠経過は順調であり,疼痛コントロールを考慮し無痛分娩の方針とした.妊娠38週5日正常経腟分娩に至った.児は2902g,女児,Apgar score 9/10で出生した.出生後,心臓超音波検査でVSDが発見され染色体検査の結果21trisomyであった.児の退薬現象は認めなかった.[結語]慢性疼痛に対し,経皮的フェンタニル投与が使用可能となり,塩酸モルヒネ内服で便秘などの副作用が発現し,増量が困難な例にはフェンタニルパッチが使用されるようになった.海外の報告ではフェンタニルによる児の催奇形の危険性はなく,少量投与では出生後の児の退薬現象はないか軽微であるとされている.今後,同様の経皮的フェンタニル投与を受けている妊娠例は増える可能性があり,その管理方法について検討が必要であると思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
436-436, 2012
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