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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
妊娠を契機に発症し,止血に苦慮した後天性血友病の一例


久野 達也1, 岡崎 隆行1, 香坂 信明1, 西川 正能1, 坂本 尚徳1, 渡辺 博1, 深澤 一雄1, 中村 由香2, 塩山 靖和3, 比氣 貞治3
獨協医科大学産婦人科1, 獨協医科大学血液内科2, 獨協医科大学放射線科3


 後天性血友病Aは第8因子に対する抑制物質が出現し,その結果第8因子活性が著しく低下して,突発的な皮下出血や筋肉内出血などの出血症状を呈する疾患であり重篤な出血も稀ではない.発生頻度は男女の性差がなく稀であり,日本血栓止血学会学術標準化委員会血友病部が行った3年間のコホート調査で55例が報告されている程度である.発生機序は未だ不明な点も多いが背景に自己免疫疾患が存在していたり,妊娠分娩が契機に発症したと考えられる報告がある.我々は経膣分娩後の会陰切開創部止血困難症例で,原因は後天性血友病Aであったという1例を経験したのでこれを報告する.症例は33歳0経妊0経産.前医にて妊娠39週5日に和痛分娩で経膣分娩に至った.同医で妊娠中,会陰部に原因不明の血腫形成し血腫除去されたという既往があった.分娩後翌日に会陰切開創部に血腫を形成し血腫除去および再縫合を二度されたが創部癒合不全に創部感染が重なり 分娩後14日目に当院へ搬送となった.当院で抜糸創解放したが,圧迫や縫合での止血が困難なじわじわした継続する出血が起こった.局所への血管収縮剤の使用や3回に渡り外科的な止血術行うも功を奏さず輸血に至り,動脈塞栓術も施行した.そして血液疾患を疑い血液腫瘍内科にコンサルトし,後天性血友病Aの診断がついた.ステロイド投与を行ったこともあり徐々に止血が得られ,創部は緩徐ではあるが肉芽形成されてきている.退院後もステロイド内服継続しているが,抑制物質の低下がみられており徐々に減量している.頻度は低いが止血困難例をみた際には,後天性血友病の可能性を検討することも重要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 437-437, 2012


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