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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
妊娠中エリスロポエチン高値を示したGitelman症候群の一例


櫻井 真由美1, 荒瀬 透1, 杉原 弥香1, 岩佐 尚美1, 福岡 慧子1, 倉崎 昭子1, 松村 聡子1, 西尾 咲子1, 中野 眞佐男1, 藤井 芳明2, 門川 俊明3,4, 林 松彦4
神奈川県警友会けいゆう病院産婦人科1, 同内科2, 慶應義塾大学医学教育統轄センター3, 慶應義塾大学血液浄化透析センター4


【緒言】Gitelman症候群は低カリウム(K)血症や低マグネシウム(Mg)血症,高レニン活性,低カルシウム尿症,代謝性アルカローシスなどを特徴とした尿細管機能障害に起因する症候群であるが,類縁疾患であるBartter症候群とは異なり,妊娠予後は比較的良好とされる.今回,学童期に全身倦怠感を主訴に精査されGitelman症候群と診断・管理されていた女性が,妊娠期間中エリスロポエチン(EPO)高値を示し,しかも妊娠経過に応じて顕著となった一例を経験した.【症例】33歳,0経妊0経産婦.自然妊娠成立にて当院受診.低K,低Mg血症を認めたため経口薬による補充を継続したが,血中K,Mg値は全妊娠期間を通じ低値で推移した.妊娠初期の血液検査においてHb:15.8 g/dLと多血傾向を認めた事から血中EPO値もモニタリングしたところ,Hbは13-15台で推移し,血中EPOは45.9(12週),133(26週),143 mU/mL(37週)と経時的に上昇した.妊娠期間中母児に明らかな異常は認めず,妊娠37週のhPL値は13 μg/mLと高値を示した.妊娠38週で無痛分娩にて2,965 gの女児を出産.臍帯血EPO値は33.9と正常範囲であった.また,母体血中EPO値は産褥6週目には23.9と戻っていた.【考察】EPOは主に腎尿細管近傍の細胞で産生されるが,妊娠中は胎盤でも産生が確認されている.母体血中EPOの推移はhPLの推移と類似しており,ともに胎盤通過性がないとされることから,本症例においてhPLが母体の腎臓もしくは胎盤に作用してEPOの産生亢進を来していた可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 439-439, 2012


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