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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
PSTTとの鑑別に苦慮した遺残胎盤の3例
大津 亜巳, 片山 春奈, 橋田 修, 今井 雄一, 竹島 和美, 中村 朋美, 小川 幸, 佐藤 美紀子, 沼崎 令子, 宮城 悦子, 榊原 秀也, 平原 史樹
横浜市立大学産婦人科
Placental site trophhoblastic tumor(以下,PSTT)は,緩やかに発育する絨毛性疾患である.胎盤付着部の中間型栄養膜細胞由来の腫瘍であるため,hCGの産生が少ないことが特徴である.初発症状は,先行妊娠から数カ月から数年後の不正性器出血や無月経であることが多く,一般的には正期産後の発症が50〜70%を占めている.特異的な画像所見が乏しいため遺残胎盤や過大着床部との鑑別が困難であり,病理学的診断で初めて確定されることが多い.今回経験した3例の共通点はいずれも先行妊娠後の不正性器出血を主訴とし,検査の結果hCGは低値で推移したものの,画像上,子宮内腔の血流豊富な腫瘤が残存し,遺残胎盤とPSTTの鑑別に苦慮した.いずれの先行妊娠も妊娠中期の流産又は中絶であった.1例では挙児希望なく腹式単純子宮全摘術を施行し,遺残胎盤の確定診断に至った.残りの2例は腫瘤の縮小,hCGの陰性化を認め,遺残胎盤の確定診断に至った.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
440-440, 2012
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