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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
ヘリカルCTによる骨三次元像により出生前診断したAntley-Bixler症候群の一例


奥谷 理恵, 尾本 暁子, 岡山 潤, 真田 道夫, 山地 沙知, 中田 恵美里, 井上 万里子, 田中 宏一, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院周産期母性科


【緒言】胎児骨系統疾患には様々な病因があり,出生前の鑑別は容易でない.最近,ヘリカルCTデータを再構築することで骨の三次元構造の把握が可能になっている.今回,ヘリカルCT検査により胎児骨の詳細な評価を行い,Antley-Bixler症候群を出生前に診断できた症例を経験したので報告する. 【症例】母親は31歳,1経妊1経産,自然妊娠.既往歴:川崎病,家族歴:特記すべき事項なし.妊娠23週時の超音波検査でクローバー状頭蓋を指摘され,妊娠28週時に当院に紹介された.超音波検査で胎児前頭部の狭小化,眼球突出,眼間距離の拡大,下部胸椎狭窄を認めた.脳室拡大や胎児発育・羊水量の異常はなく,心・胃・腎・膀胱・外性器(正常女児型)に異常を認めなかった.初診時には頭蓋縫合早期癒合症とその症候群(Pfeiffer症候群またはApert症候群)を疑った.妊娠31週時に胎児ヘリカルCT検査を実施し,短頭・顔面骨低形成・上腕骨頭癒合を認めたことからAntley-Bixler症候群と診断した.本疾患は骨折等を伴う疾患ではないことから,経腟分娩の方針とした.妊娠39週2日,自然破水・陣痛発来し,2484g,アプガースコア8/9点の女児を経腟分娩した.児の遺伝子検査は実施していないが,Antley-Bixler症候群として矛盾しない所見であった. 【考察】ヘリカルCTを用いた骨系統疾患の三次元構造の詳細な把握は,正確な胎児診断を可能にし,適切な分娩方法や管理方針の決定に有用と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 446-446, 2012


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