関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
周産期管理に苦慮した常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)の一症例


名古 崇史1, 安藤 歩1, 山下 有美1, 上里 忠英1, 細沼 信示1, 近藤 春裕1, 飯田 智博1, 田村 みどり1, 田中 守2, 鈴木 直2
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院産婦人科1, 聖マリアンナ医科大学産婦人科2


 常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)は1/40000出生の頻度でみられる稀な遺伝性疾患であり,約半数程度は胎児期より指摘され,羊水過少に伴う肺低形成から出生児の予後は極めて不良とされる.今回我々は妊娠24週に羊水過少,胎児の両側腎臓腫大よりARPKDを疑った一例を経験したので報告する.症例は38歳1G1P(自然分娩1回),前児に特記異常なし.既往歴は虫垂炎で手術歴あり,また子宮内膜ポリープにてTCRの既往があるのみで,夫を含めて家族歴には特記すべき異常は認めなかった.自然妊娠で妊娠初期より当院にて妊婦健診を施行し,妊娠24w0dにAFI4.1cmと羊水過少と胎児の両側腎臓の腫大を認め,精査を行いARPKDを強く疑った.妊娠経過は羊水量はAFI 0〜2cm程度の羊水過少で経過し胎児発育はAFDで経過したが,妊娠28週,35週に施行した胎児MRIでは両側腎臓腫大と肺低形成を疑わせる所見であった.分娩方法は患者,家族,新生児科,他院へのセカンドオピニオンにて十分検討の上,最終的には患者の希望により予定帝王切開術の方針となり,妊娠37w2d自然陣発したため帝王切開術を施行した.出生児:女児2988g,49.5cm,Apgar score 5/6,児は肺低形成に伴う呼吸障害のため日齢0日に永眠となった.遺伝子検査については家族の同意が得られず施行しなかった.ARPKDの周産期予後は,その多くは肺低形成に伴う呼吸不全により新生児期に死亡するが,稀ではあるが長期生存する症例も報告されている.当院の症例と若干の文献的考察もふまえて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 449-449, 2012


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会