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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
子宮表面の血管破綻から腹腔内出血を来した子宮内膜症合併妊娠の一例
天神林 友梨1, 小畠 真奈1, 細川 義彦1, 西田 恵子1, 野口 里枝1, 竹島 絹子2, 安部 加奈子1, 永井 優子1, 小倉 剛1, 濱田 洋実1, 吉川 裕之1
筑波大学産婦人科1, 水戸済生会総合病院産婦人科2
【はじめに】近年,妊娠中の腹腔内出血の原因として,子宮内膜症の関与が注目されている.今回われわれは,子宮内膜症を合併する妊婦における腹腔内出血を経験したので報告する.【症例】34歳0回経妊0回経産婦,人工授精による妊娠.27歳時に左子宮内膜症性卵巣嚢胞と診断された.妊娠26週0日,突然の腹痛のため来院した.vital signsは保たれ,腹部全体に圧痛と腹膜刺激症状を認めるも,性器出血は認めなかった.経腹超音波検査で胎盤後血腫はなく,胎児心拍モニタリングはreassuring,Hb11.7g/dlであった.子宮頸管長の短縮を認めたため,切迫早産の診断にて入院,塩酸リトドリンの点滴投与を開始した.また,子宮内膜症性卵巣嚢胞の破裂を疑い,同日MRIを施行したところ,左卵巣は検出できず,子宮の左側にT2強調画像でやや高信号の液体貯留を認めた.妊娠26週3日,Hb8.5g/dlと貧血の進行を認め,腹腔内出血が疑われたが,vital signsが安定していたため保存的治療とした.妊娠27週3日,胎児心拍数モニタリングで高度遷延一過性徐脈が出現し,胎児機能不全の診断にて緊急帝切とした.腹腔内に新鮮血液および凝血塊約200gを認め,子宮後壁左側に腹膜と大網が癒着,この部位の静脈の破綻による出血が見られたため,サージセルコットンで圧迫止血を行った.Douglas窩は閉鎖していた.児は879gの男児,Apgar scoreは5点(1分),6点(5分)であり,挿管後NICU入院となったが,日齢12に敗血症により死亡した.【まとめ】子宮内膜症は妊娠中のリスクは少ないと考えられてきたが,突然の腹痛と貧血が認められた場合,本病態を念頭において診療にあたる必要がある.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
451-451, 2012
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