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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
胚発育速度と凍結融解胚移植日の検討
小川 達之, 笠井 剛, 大木 麻喜, 下地 彩乃, 平田 修司
山梨大学産婦人科
【目的】ホルモン補充周期での凍結融解胚移植は,プロゲステロン(P)投与後5日目に施行されることが多いが,外来の都合上4日目に行われる場合もある.今回我々は,培養5日目,6日目に胚盤胞に達した5日目胚盤胞と6日目胚盤胞の2つについて,移植日で臨床成績に違いがあるかどうか後方視的に検討した.【方法】2011年1月から2012年5月までに,当科で凍結融解胚移植を施行した250周期で,胚盤胞はGardner分類の3BC以上に達した胚を対象とした.A群(5日目胚盤胞4日目移植:26周期),B群(5日目胚盤胞5日目移植:160周期),C群(6日目胚盤胞4日目移植:9周期),D群(6日目胚盤胞5日目移植:55周期)に分類し,臨床成績を検討した.凍結はvitrification法にて行い,また,ホルモン補充療法はエストラジオール貼付剤の漸増投与ならびに,投与15日目からのP腟坐薬600 mg/日の併用にて行い,P開始日より4日目または5日目に凍結融解胚移植を施行した.移植日の選択は,原則5日目として,休日に当たる場合,4日目とした.レーザーAH,SEET法,単一胚移植は全例に施行した.妊娠の診断は,胎嚢の確認をもって行った.【成績】妊娠率は,A群:50.0%(13/26),B群:36.3%(58/160),C群:22.2%(2/9),D群:23.6%(13/55)で,A群とD群間にのみ有意差を認めた(P<0.05).【結論】(1)ホルモン補充周期での凍結融解胚移植は4日目であっても何ら問題がないこと,(2)6日目胚盤胞の凍結融解胚移植は,移植日を変更しても,臨床成績は向上しないことが示唆された.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
460-460, 2012
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