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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
腰痛・両下肢麻痺を契機に発見された卵巣未熟奇形腫骨転移の1例


金 愛理, 鈴鹿 清美, 海野 洋一, 大崎 達也, 田中 尚武
千葉県がんセンター婦人科


 未熟奇形腫は全悪性卵巣腫瘍の約1%を占める.初回手術時に全体の3分の2ほどは卵巣に限局しており,転移があったとしてもその多くは腹膜播種である.さらにリンパ節転移や肝・肺などへの血行性転移は稀であり,その中でも骨転移はほとんど報告されていない.今回我々は腰痛・両下肢麻痺を初発症状とし,整形外科術後に行なった生検で未熟奇形腫の骨転移が明らかとなった1例を経験したので文献的考察を含め報告する.  症例は28歳,未経妊未経産.腰痛と両下肢麻痺を主訴に整形外科を受診.CTで第9胸椎の破壊像,MRIで同部位硬膜外腔に腫瘍像を認めたが,CT下ガイド生検で診断が得られなかったため,麻痺の進行防止と確定診断目的に椎弓切除術(第8Th-第10Th)+脊椎後方固定術+腫瘍生検を施行.生検結果は未熟な神経成分を有する悪性腫瘍であった.術前CTで骨盤内に充実性腫瘍像を認めており,このことと併せて胚細胞腫瘍の骨転移と考え,婦人科で左付属器摘出術+右卵巣嚢腫核出術+大網部分切除術を施行.術後組織診で未熟奇形腫(Grade3)の診断となった.術後9日目のCTでは両肺に転移像が多発しており,また肝転移,第4腰椎・左腸骨に骨転移を認め,術後17日目よりBEP療法3コースを開始.化学療法終了時点でPET-CTを施行し,肺・肝の転移像の消失を認めた.しかし,左上腕骨頭部,第4腰椎,左腸骨稜の骨転移は残存し,これに対しては放射線治療を行い,現在経過観察中である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 466-466, 2012


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