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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
術後早期に急速な再発を来たしたmitotically active cellular fibroma(MACF)の1例


草西 多香子, 中島 義之, 丸田 佳奈, 田代 英史, 和田 真沙美, 千葉 純子, 諸岡 雅子, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科


 卵巣のcellular fibroblasitic tumorはcellular fibromaとfibrosarcomaとに分類されるが,核分裂4 HPF以上のものでも,核異型が高度でなく,予後良好なものもあり,mitotically active cellular fibroma(MACF)として区別される.今回我々は,短期間に局所再発を来たしたMACFの1例を経験したので報告する.症例は40歳代,2回経妊2回経産.下腹部痛を主訴に前医を受診し,右卵巣腫瘍を認め,当院へ紹介され受診した.右卵巣に多房性腫瘍を認め,開腹手術を施行した.右卵巣は14cmの白色の充実性腫瘍で,腹腔内に他の腫瘍発育は認めず,腹水中迅速細胞診は陰性であった.右付属器切除術,左卵巣部分切除術を施行し,術後病理組織診断はcellular fibromaで,左卵巣に腫瘍発育は認めなかった.術後3か月に左卵巣に2cmの腫瘍を認め,術後5か月には13cm大に急速な増大したため,再手術を施行した.左卵巣は11cmの黄色充実性腫瘍で,腹腔内は著明な癒着を認め,子宮表面,腸管表面,大網にも多数の母指頭大の腫瘍発育を認め,単純子宮全摘術,左付属器切除術,大網切除術,虫垂切除術を施行し,術後化学療法を施行した.切除標本はMACFであることが判明し,Ki-67陽性,Vimentin陽性,α-SMA,CAM5.2,s-100,Sudan IVは陰性であった.第2回手術後,初回手術の標本を再検討し,初回手術診断もMACFであったことが判明した.本症例のようにMACFでも急速な再発をきたすものもあり,術後経過観察には慎重を要すると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 469-469, 2012


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