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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))
【一般演題】
深部静脈血栓合併巨大子宮頸部筋腫に対しocclusion catheter,IVC filterを用い安全に筋腫核出術をした一例
松村 優子, 金田 容秀, 松井 泰佳奈, 松田 祐子, 楠木 総司, 木村 美葵, 須賀 新, 寺尾 泰久, 加藤 聖子, 竹田 省
順天堂大学産婦人科
【緒言】子宮筋腫の治療中に肺血栓塞栓症(PTE)を起こした深部静脈血栓(DVT)合併巨大子宮頸部筋腫に対し,IVC filterを留置してPTEを予防し両側内腸骨動脈内にocclusion catheterを留置して術中出血コントロールを行い,安全に筋腫核出術を行えた一例を経験した.【症例】28歳,0経妊.23歳時に4cm大の子宮筋腫を指摘されGn-RHa療法を行なったが,20cm大に増大した.他院にて挙児希望のため筋腫核出術予定であったが,子宮が挙上困難であったため施行し得なかった.その後,子宮動脈塞栓術を二度行なったが縮小効果を得られず,さらにPTEを併発したため当院へ紹介となった.内診および骨盤MRIで約25cmの巨大子宮頸部筋腫と診断し,骨盤CTで左大腿静脈内にDVTを認めた.術前に未分画ヘパリンの静脈内持続投与を行いIVC filterを留置して周術期のPTE再発を予防し,手術直前にocclusion catheterを挿入し筋腫核出術を行なった.頚部筋腫にバソプレシンを局注した後にocclusion catheterで両側内腸骨動脈を遮断し,両側卵巣動脈を腸鉗子で狭鉗して術中出血をコントロールし筋腫核出術を行なった.自己血を返血して血液製剤は使用せず,術後も抗凝固療法を継続し血栓の再発を認めず術後12日目に退院となった.【考察】産婦人科手術において出血をコントロールし,かつ血栓を含めた周術期合併症を回避する事は重要な使命である.本症例のようなPTE既往を有するDVT合併巨大子宮頸部筋腫に対してocclusion catheterやIVC filterの留置など領域の違う他科と連携し,自己血の準備や抗凝固療法を行う事で周術期管理を行い,さらに出血軽減の工夫を行う事は安全な手術戦略を実施する上で重要であると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(3)
476-476, 2012
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