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<< 学会誌へ戻る 【緒言】子宮肉腫は子宮悪性腫瘍の3％程度であり，その中でも子宮腺肉腫は8％程度しか認めない稀な上皮性・間葉性混合腫瘍である．手術前に子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどと診断され，手術後に病理にて診断されることが多い疾患である．今回，我々はMRIにて術前診断をし得た子宮腺肉腫の一例を経験したため報告する．【症例】59歳の未経妊未経産の未婚女性であり，53歳で閉経した．不正性器出血，黄色帯下，下腹部膨隆を主訴に近医を受診し，MRIで子宮体癌疑いにて当院紹介受診となった．MRIにて「子宮内腔を占拠するような12cm程度の巨大な腫瘤．T2強調像で内部不均一，T1強調像で淡い高信号，造影にて脳回状に充実構造が造影増強，拡散強調像にて嚢胞壁と内部の一部が高信号」の所見であり，子宮腺肉腫などの上皮性・間葉性混合腫瘍の悪性腫瘍が考えられた．拡大子宮全摘出術，両側付属器切除術，大網切除術，骨盤・傍大動脈リンパ節廓清が行われた．病理組織診では左卵巣転移を伴う子宮腺肉腫Stage2Aであった．【結語】子宮腺肉腫のMRI所見としては「子宮内腔を占拠するような腫瘍であり，腫瘍による菲薄化された筋層を認める．腫瘍の内部は上皮成分を反映したと思われる嚢胞と造影剤にて筋層と同等の信号を示す成分が混在している．」などがある．MRIで悪性腫瘍である子宮腺肉腫と子宮筋腫などの良性疾患を術前に鑑別が出来ることで，その後の手術療法などの治療を適切に行うことが出来る．より詳細で正確な術前検査の評価が必要だと思われた． 関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 477-477, 2012 |
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