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<< 学会誌へ戻る 【緒言】後腹膜平滑筋肉腫は比較的稀な疾患である．今回我々は画像検査にて変性子宮筋腫もしくは子宮肉腫を疑い開腹手術を行ったが，子宮筋腫の他に子宮および子宮付属器と連続性のない巨大な後腹膜腫瘍を認め，病理検査にて平滑筋肉腫と診断された一例を経験したので文献的考察を加え報告する． 【症例】53歳女性．2経妊1経産．5年前より腹部膨満，過多月経，吃逆がみられたが，受診歴はなし．下腹部違和感が出現したため近医内科を受診したところ，巨大子宮筋腫を認めたため当院紹介受診となった．MRI検査では，臍高に達する210×110mm大の腫瘤と多発子宮筋腫を認めた．悪性腫瘍の可能性を否定できないため開腹手術を行ったところ，子宮筋腫の他に，子宮および子宮付属器と連続性のない20cm大の後腹膜腫瘍を認めた．後腹膜腫瘍は鼠径靱帯周囲に連続しており，腹式子宮全摘術，両側付属器切除術および後腹膜腫瘍摘出術を施行した．病理検査にて，紡錘形細胞の束状の増生を認め，核分裂像の増加を伴い，平滑筋肉腫の診断となった．また，被膜を超える進展は認めず，完全摘出できたと判断した．現在は外来にて経過観察中である． 【考察】後腹膜平滑筋肉腫は比較的稀な疾患であるが，画像診断にて腹腔内腫瘍を認めた場合，後腹膜腫瘍の可能性を念頭に置いて診療にあたるべきと考えた． 関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 478-478, 2012 |
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