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【特集総論】
卵巣成熟嚢胞性奇形腫
藤村 正樹
東京医科大学茨城医療センター産科婦人科
卵巣成熟嚢胞性奇形腫は,発生頻度の最も高い卵巣胚細胞腫瘍の良性腫瘍の位置を占める腫瘍である.その認識の歴史は古く古代に遡り,産科婦人科医師の日常生活の中では極めてありふれた腫瘍と言える.しかしながら,本腫瘍は,近年脳神経領域において明らかとなってきた,抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎との関連が取り上げられ始めてから再び脚光を浴び,新たな関心を持って取り上げられる事が多くなってきた.本稿では,本号に取り上げられている成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化,再発,そして抗NMDA受容体脳炎との関わりに付いて述べる.
Key words:Mature Cystic teratoma, Anti-NMDA-receptor encephalitis
関東連合産科婦人科学会誌, 49(4)
655-657, 2012
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