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【原著】
持続ドレナージ法による骨盤内リンパ節郭清後感染性リンパ囊胞の管理について
中村 名律子, 碓井 宏和, 三橋 暁, 加藤 一喜, 楯 真一, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科
婦人科悪性腫瘍手術後の合併症として,感染性リンパ囊胞が発症することがある.感染性リンパ囊胞は,リンパ節郭清後にリンパ液がうっ滞して生じるリンパ囊胞に対する感染である.術後治療の遅延・患者のQOL低下をきたす可能性があるため,その管理は重要である.治療方法には,保存的治療・経皮的ドレナージ・手術などがある.近年,当科では,感染性リンパ囊胞の管理に,マレコット型ネフロストミーキット(ウロステント)を用いた持続的ドレナージによる治療を行っている.2004年から2010年までの間に,感染性リンパ囊胞と診断し,治療を行った19症例を後方視的に検討した.単回および反復穿刺のみで治療した群,始めからウロステントによる持続ドレナージを施行した群,穿刺治療で改善せずにウロステントでの管理に移行した群に分類し比較した.ウロステントによる管理を行った症例では,穿刺によりドレナージを行った症例に比べて,臨床所見・検査値の改善が良好であった.また,ウロステント留置にともなう合併症の発生は少なく,ウロステントによる感染性リンパ囊胞の管理は有用と考えられた.
Key words:lymphocele, catheter, drainage, pelvic lymph node excision
関東連合産科婦人科学会誌, 50(1)
19-24, 2013
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