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【原著】
一絨毛膜二羊膜双胎におけるearly second trimesterの超音波検査所見と周産期予後に関する検討


齊藤 真1), 奥田 美加1), 小畑 聡一朗1), 宇佐美 友希1), 粒来 拓1), 加藤 沙絵1), 持丸 綾1), 望月 昭彦1), 倉澤 健太郎1), 青木 茂1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学附属病院産婦人科2)


 一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)は,双胎間輸血症候群(TTTS),子宮内胎児死亡(IUFD)や早産のリスクが高い.一方,妊娠末期まで安定した経過をたどる例も存在する.今回,2006年1月から2011年9月に当院で妊娠14週以降継続して管理し妊娠22週以降に分娩に至ったMD双胎134例について,妊娠16〜18週時における羊水量,2児間の発育差,子宮頸管所見とその後の予後について後方視的に検討した.MD双胎134例中,一児に羊水量過少は17例(12.7%)に認めた.この時期の羊水量過少はその後のTTTSの発症に有意差を認めた(P<0.01)が,IUFD発症に有意差は認めなかった.134例中,発育差を呈していたのは19例(14%)だった.この時期の発育差はその後のTTTS発症には影響を及ぼさないものの,IUFDの発症に有意差を認めた(P<0.05).TTTS, IUFD,人工早産を除外した106例の子宮頸管所見について,25 mm未満と25 mm以上の2群間ではその後の分娩週数に有意差を認めた(P<0.01).MD双胎の妊娠管理において,early second trimesterの羊水量や発育差,子宮頸管長はその後のTTTS発症,IUFD,早産の重要な因子であると考えられる.この時期の注意深い観察が経過の予測につながる可能性が示唆された.

Key words:MD twins, TTTS, IUFD, premature delivery

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 31-35, 2013


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