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【原著】
当院における高度肥満子宮体癌患者の治療経験


岡崎 有香1), 岡田 智志2), 越智 寛幸1), 小貫 麻美子1), 水口 剛雄1), 松本 光司1), 佐藤 豊実1), 沖 明典1), 吉川 裕之1)
筑波大学医学医療系産科婦人科学1), 国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科2)


 目的)当院の高度肥満子宮体癌患者に標準手術を安全に行えたかを調査し妥当性を検討する.方法)2001〜2010年に当院で初回治療として手術施行した子宮体癌患者420名中,高度肥満(BMI 35 kg/m2以上)23人(O群)を対象とした.2004年11月以後はBMI 28以上で術後抗凝固療法を施行した.臨床病理学的背景,術式・手術時間及び術後有害事象を非高度肥満患者397名(N群)と比較した.結果)BMI中央値はO群38.1(35.1〜78.1),N群23.6(15.5〜34.9).合併症はO群でN群より有意(78.3% vs. 50.9%;P=0.009)に多かった.進行期と組織型に有意差はなかった.子宮の摘出法,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清の施行率,出血量,術中臓器損傷に有意差なく,患者全体では手術時間に有意差なかったが傍大動脈リンパ節郭清を伴わない術式でO群が有意(261±72分 vs. 218±78分;P=0.02)に長かった.有害事象はO群で低酸素血症と創部離開が有意(35% vs. 0.8%;P=0.02, 30% vs. 3%;P=0.0005)に高率だった.静脈血栓塞栓症,腸閉塞の発生率に有意差はなかった.結論)O群は手術時間が長くなるものの,手術を縮小せずとも重篤な有害事象を回避して標準手術が行えた.子宮体癌に対し肥満のみを要因に安易に縮小手術を選ばず標準術式を遂行することは妥当である.

Key words:obesity, endometrial neoplasm, postoperative complications, suction drainage

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 51-55, 2013


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