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【症例報告】
不妊治療後発症した胎児共存奇胎の診断にp57KIP2免疫染色が有効であった1例
小松 央憲, 鈴木 円香, 栗原 務, 太田 克人, 伊藤 理廣
社会保険群馬中央総合病院産婦人科
排卵誘発後に囊胞化絨毛と胎児を同時に認め,胎児共存奇胎と部分奇胎との鑑別に苦慮した一症例を経験した.症例は26歳で排卵誘発とタイミング療法で妊娠し,妊娠初期より卵巣腫大を呈しており,茎捻転疑いで当科搬送入院となった.症状は落ち着いたものの,胞状奇胎成分と胎児成分を超音波で認め,患者希望で中絶となった.その後続発病変を認めたため免疫染色を行ったところ,最終病理診断は胎児共存奇胎であった.この事からP57染色は染色体検査ができない症例においても有用な診断方法の一つであると考えられた.
Key words:Infertility treatment, p57KIP2(cyclin-dependent kinase inhibitor 1C:CDKN1C), CHMCF(complete hydatidiform mole coexistent with a fetus)
関東連合産科婦人科学会誌, 50(1)
91-97, 2013
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