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【症例報告】
Compression suture施行後,腹腔鏡下で子宮圧迫縫合糸を抜糸し子宮を温存し得た1症例


橋田 修, 林 真理子, 古野 敦子, 齋藤 圭介, 高安 義弘, 石川 雅彦
大和市立病院産婦人科


 子宮圧迫縫合(uterine compression suture)施行後に,子宮腔内癒着予防の目的で腹腔鏡下に子宮圧迫縫合糸を抜糸した症例を報告する.症例は38歳の初産婦で妊娠経過は順調だった.妊娠41週4日,過期産予防のために誘発分娩を目的に入院させ,陣痛誘発を開始した.severe variable decelerationが出現し,胎児機能不全の診断で緊急帝王切開した.術中に子宮収縮不全を認め,大量子宮出血を示した.uterine compression sutureを行い,止血した.Compression sutureの副作用として子宮腔内癒着や感染誘発が知られているので,子宮復古が良好であることを確認できた分娩後6日目に,腹腔鏡下で子宮圧迫縫合糸を抜糸した.術後10日目に母児ともに退院した.分娩後3か月目に子宮鏡下に子宮腔内を観察した.内膜に異常所見は認められなかった.Compression sutureの止血効果の有効性はほぼ確立しているが,副作用もある.特に,子宮腔内癒着や子宮感染症が問題になっている.産褥後早期に縫合糸を抜糸すれば,これら合併症の発生頻度を低下できる可能性がある.本症例において,抜糸がこれら合併症を回避するのに有効であったと結論付けることはできないが,今後,試みる価値がある方策かもしれない.

Key words:atonic bleeding, compression suture, laparoscopy, uterine synechiae

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 167-170, 2013


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