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		【症例報告】 
		子宮頸部原発悪性リンパ腫の一例
  
		浅尾 有紀, 吉田 光代, 松葉 悠子, 松川 高久, 大鷹 美子 
		公益財団法人東京都保健医療公社豊島病院産婦人科
  
		  
		 子宮頸部腫瘍のうちまれな疾患である,悪性リンパ腫の一例を経験した.症例は42歳1経産,不正出血を主訴に当科受診した.子宮頸部に腫瘤像は認めなかったが,コルポスコピー検査にて子宮腟部前唇の著明な発赤を認めた.細胞診にて異型細胞を認めるも典型的な上皮性悪性腫瘍と診断し難く,組織診にて悪性リンパ腫が疑われた.免疫組織診にてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断となった.血液内科へ転科後,CT,PET-CTにて全身検索を行い,傍大動脈リンパ節の軽度腫大を認めたため,Ann Arbor分類IIE期の病期と診断し,R-CHOP療法6コースを行う方針とした.治療経過中に腟部前唇の発赤所見は軽減していき,細胞診,組織診にて悪性所見を認めなくなった.画像検査結果と合わせて寛解と判断し,現在は外来経過観察中である.子宮頸部原発悪性リンパ腫はまれな疾患ではあるが,本邦では症例報告が散見される.2000年から2012年の本邦における子宮原発悪性リンパ腫の症例報告をまとめ,その臨床的特徴や治療法について検討した.
  Key words:Malignant lymphoma, Uterine cervix, R-CHOP
  
		関東連合産科婦人科学会誌, 50(1)
		177-185, 2013 
		 
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