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<< 学会誌へ戻る 帝王切開瘢痕部妊娠（Caesarean Scar Pregnancy：CSP）は既往帝王切開瘢痕部に着床する異所性妊娠である．近年の帝王切開率の上昇に伴い報告例が増加しているが，現在まで治療方針のコンセンサスは得られていない．今回，異なる管理を行ったCSPの4症例を経験したので報告する．症例1は無月経10週で帝王切開瘢痕部に胎嚢を認め，CSPと診断した．メトトレキサート（MTX）投与による保存的治療を試みたが，経過中に多量出血を来たし，子宮動脈塞栓術（UAE）を施行した．その後も出血が持続したため，単純子宮全摘術を施行した．症例2は無月経8週でCSPが疑われ，当院紹介となった．子宮温存を希望されたためMTX投与を2クール行ったが，少量の出血が持続したため着床部の楔状切除術を施行した．症例3，4は無月経9週でCSPと診断した．子宮温存及び入院期間が短い治療を希望されたため，着床部の楔状切除術を施行した．術後経過は良好で術後7日目に退院となった．近年，CSPに対してはMTXやUAEを用いた保存的治療の報告が多いが，MTXでは治療経過が長く経過中に多量出血をきたす可能性があり，UAEは治療後の妊孕性に対する検討がまだ十分とは言えない．着床部の楔状切除術はCSPに対する初回治療として安全で有効な治療法の1つと考えられた． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 307-307, 2013 |
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