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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション2】
常位胎盤早期剥離症例で児の救命は可能か―当院に母体搬送された7症例の検討から―


山本 ゆり子, 中山 昌樹, 茶木 修, 荒田 与志子, 井畑 穣, 伊藤 朋子, 竹内 梓, 佐藤 加奈子, 宮腰 藍衣, 尾崎 優美
横浜労災病院産婦人科


【緒言】常位胎盤早期剥離は本邦における周産期死亡の主要な原因となっており,今なお児の予後は不良である.今回当院に母体搬送され常位胎盤早期剥離を疑って緊急帝王切開を施行した7症例を経験した.児の予後良好な症例に共通する因子を解明することを目的に症例の解析をおこなった.【方法】2008年4月から2012年5月の間に神奈川県産科救急システムを介して当院に搬送され,前医または当院で搬送前後に常位胎盤早期剥離の診断がついた7症例を後方視的に検討した.【結果】症例の母体年齢の中央値は35歳(23-41歳),妊娠週数の中央値は32週3日(26週0日-38週1日)であった.搬送前の時点で常位胎盤早期剥離が疑われたのが4例,残り3例は切迫早産または妊娠高血圧症として搬送されており,搬送中または当院到着後に常位胎盤早期剥離を疑った.全例当院到着後に緊急帝王切開が施行された.母体は4例が播種性血管内凝固の治療を行ったが術後経過良好であった.児は7症例中3症例が子宮内胎児死亡,2例が新生児死亡,2例が生存している.子宮内胎児死亡となった3症例については全例が搬送前の時点で常位胎盤早期剥離が既に疑われていた症例であった.【結論】今回検討した7症例においても常位胎盤早期剥離症例の児の予後は極めて不良であった.そのうち児を救命し得た2症例はいずれも前医では診断がつかず,当院搬送後に症状や所見から同疾患が疑われ,発症からの経過が比較的短い症例であったと考えられる.急性発症の切迫早産や妊娠高血圧症には常位胎盤早期剥離症例が含まれていることを念頭において診療にあたるべきであると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 309-309, 2013


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