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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【若手ポスターセッション2】
妊娠21週で前置胎盤の警告出血により,母体救命目的に緊急帝王切開術を要した一例
当間 理恵1, 持丸 綾1, 林 真理子1, 今井 雄一1, 笠井 絢子1, 望月 昭彦1, 倉澤 健太郎1, 青木 茂1, 奥田 美加1, 高橋 恒男1, 平原 史樹2
横浜市立大学附属市民総合医療センター周産期センター1, 横浜市立大学産婦人科2
【緒言】妊娠中期に前置胎盤症例で警告出血を認める症例は少なくないが,妊娠終了を必要とするほどの大量出血を認める症例は稀である.今回我々は,妊娠21週で大量出血を認め,母体救命のため緊急帝王切開術での分娩終了を要した一例を経験したので報告する.【症例】35歳0経妊0経産.自然妊娠し,初期より前医で妊婦健診を行い,妊娠経過は正常であった.妊娠20週0日に自宅で多量の性器出血をきたし,前医を受診した.多量の凝血塊と子宮口開大を認めたため切迫流産の診断で入院管理となった.妊娠20週3日からは1日100g程度の出血を連日認めた.妊娠21週2日,血液検査でHb6.2g/dlと低下していたため,当院へ搬送された.当院入院時,腟内の多量の凝血塊と,子宮頸部5時方向から持続性の出血を認め,経腟超音波で辺縁前置胎盤を認めた.徐々に血圧,意識レベルの低下(JCS1)を認めたため,全身麻酔下に出血部位の確認と止血を行った.出血の原因としては,前置胎盤の警告出血によるものと判断,この時点で2000g以上の出血を認め,止血が得られなかったため,母体救命目的に緊急帝王切開術による妊娠終了とした.術所見で,前置血管や頸管胎盤は認ず,前置胎盤による警告出血として矛盾はなかった.術後経過は良好であったため,術後8日目に退院となった.【考察】妊娠中期の前置胎盤による警告出血によって帝王切開による妊娠終了が必要となる症例があることを認識しておく必要がある.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
309-309, 2013
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