関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション2】
妊娠中に大網出血を起こした一例


白石 知己, 定方 久延, 倉田 知子, 嶋田 亜公子, 井上 真紀, 田村 友宏, 亀田 高志, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 大網出血は診断困難で稀な腹腔内出血の原因である.原因不明の腹腔内出血や腹膜炎の診断で緊急開腹となる症例が多い.保存的に経過をみた場合でも再出血の危険があり,診断がつき次第手術適応とされている.今回我々は妊娠27週に大網出血を発症した症例を経験したので報告する.症例は37歳0経妊0経産,ICSIにて妊娠成立した二絨毛膜二羊膜双胎.妊娠26週4日より子宮収縮が出現し切迫早産と診断され前医入院.塩酸リトドリン内服と安静にて管理されていた.27週1日に左下腹部痛が出現し増悪したため,同日精査加療目的に当院へ母体搬送された.超音波では胎盤や子宮壁に異常所見を認めず,肝臓周囲に著明な液体貯留を認めた.単純MRIでも同様な所見であった.腹腔穿刺を行い血性腹水を認めた.出血源は不明であるが全身状態が落ち着いており慎重に経過観察を行った.28週4日に1児の破水を認め同日緊急帝王切開を施行した.術中所見では大網と小腸間膜に癒着を認めた.また持続的な出血は認めなかったが大網後面に広範囲な凝血塊の付着を認めたため,大網出血と判断し再出血予防と生検のため大網を部分切除した.術後病理診断では大網に脱落膜変化を認めた.術後経過は順調で術後9日目に退院した.その後の術後検診でも異常を認めていない.今回の症例では,大網と小腸間膜の癒着が子宮の進展により剥がされたことによる出血の可能性と,大網の異所性脱落膜から出血した可能性が考えられた.原因不明の腹腔内出血を認めた場合は,稀な疾患であるが大網出血を鑑別として念頭におく必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 310-310, 2013


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会